近年、胃カメラ検査を受ける機会が増えたことで検査を経験されたことがある方も増加傾向にあります。かつては敷居の高い検査というイメージがあり敬遠されがちでしたが、今や定期健診などでも実施されるようなメジャーな検査の方法となり、嬉しく思っています。しかし、まだ「詳しい内容はあまり知らない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、そんな胃カメラ検査について「なぜ大切なのか」「どんなことがわかるのか」など、詳しくご紹介したいと思います。「これから胃カメラ検査を検討している」「受けてみたいけれど不安…」「家族に受けてほしい!」とお考えの方は、ぜひご覧ください!
胃カメラ検査の目的
まずは、胃カメラ検査自体についての紹介と、その目的に関するお話です。胃カメラ検査は、正式には「胃内視鏡検査」「上部消化管内視鏡検査」と呼ばれています。上部消化管とは、食道・胃・十二指腸など、体の上部にある消化に関わる器官を指します。胃カメラ検査では、お口や鼻から細い内視鏡を挿入してこれらの消化管に問題がないか、直接観察していきます。
また、胃カメラ検査の特徴として、病気が疑われる箇所の組織を採取して検査することもできます。そんな胃カメラ検査の目的は「病気の早期発見・早期治療」という点です。定期的に胃カメラ検査を受けることで、上部消化管に起こる病気を早期に発見し、早い段階で治療が可能になります。上部消化管では、自覚症状が出にくい病気も数多くあるため、知らず知らずのうちに発症・進行してしまっていたというケースも少なくありません。
そういったリスクを軽減するためにも、内視鏡検査は大きなメリットのある方法です。ぜひ40代になったら、定期的に検査を受けるようにしてください。
以下では、胃カメラ検査で分かる病気を一部ご紹介していきます。
胃カメラ検査で見つかる胃の病気
胃の病気にはいろいろなものがありますが、胃カメラ検査で発見すべき病気としては大きく3つあります。
1つ目は「胃潰瘍」です。
胃潰瘍とは、簡単に言うならば胃の壁にある粘膜に傷ができる病気です。原因としては過度なストレス・服薬の影響・ピロリ菌感染などが挙げられます。こうした原因が重なって胃酸が多くなったり胃の粘膜を保護するための物質が低下したりすることで発症します。胃カメラ検査によって胃潰瘍が見つかった場合には、早めに治療を行うようにしましょう。
2つ目は「胃ポリープ」です。
ポリープというと大腸ポリープを連想する方も多いかと思いますが、実は胃の内部にもポリープができることがあります。胃ポリープは患者様によって形・大きさが異なりますが、一部のポリープは内視鏡でそのまま切除することもできます。(大きすぎるものなどは切除が困難です。)
そして3つ目が「胃がん」です。
胃がんは、胃カメラ検査によって最も早期に発見したい病気と言っても過言ではありません。早期の胃がんは自覚症状が出にくく、進行リスクがとても高い病気です。進行後は予後があまり良くない病気ですが、早期に発見して治療ができれば完治も目指せますので、ぜひ胃カメラ検査で早期発見・早期治療に繋げていきましょう。
胃カメラ検査で見つかる食道の病気
食道の病気は、有名なものでは2つあります。
1つ目は「逆流性食道炎」です。
逆流性食道炎は、胃から食道へ胃酸が逆流することが原因で起こります。食道に炎症が起こるため、不快な症状が現れるでしょう。炎症が続くと、食道がんのリスクにつながります。
そして2つ目が「食道がん」です。
食道がんは、飲酒や喫煙、繰り返し起こる食道炎などが原因となって起こります。進行すると治療の負担が大きくなってしまいますが、早期発見ができれば内視鏡による手術も可能です。
胃カメラ検査で見つかる十二指腸の病気
胃カメラ検査によって発見すべき十二指腸の病気には、以下のような種類があります。
1つ目は「十二指腸腺腫」です。
十二指腸にできる腺腫は基本的には良性のものが多いですが、十二指腸がんへ変異するリスクを含んでいるのも事実です。そのため、早期に発見して切除を行う必要があります。早い段階で発見できたものは内視鏡で切除できるケースもあります。
2つ目は「十二指腸がん」です。
ピロリ菌感染などによって起こるリスクのある病気のひとつで、内視鏡検査によって発見されることが多くあります。
胃カメラはこんな方におすすめです!
胃カメラ検査は、どんな方にでも受けていただける検査です。
その中でも特に検査をおすすめしたいのは、以下のような方々です。
- ・急な吐血、下血があった
- ・吐き気や胃のムカムカ、不快感などの症状がある
- ・精密検査を受けるように言われた
- ・家族にピロリ菌感染者がいたことがある
- ・40歳以上で、今まで胃カメラ検査を受けたことがない
など
これまで胃カメラ検査を受けたことがない方、定期健診で精密検査を受けるよう指示があったという方は、ぜひ早めに胃カメラ検査を受けてみてください。そのほかにも、小さな不調が続いている方、気になる症状がある方もお気軽にご相談ください。