胃の状態を確認する検査として、胃カメラ検査以外にもバリウム検査(胃透視)があります。バリウム検査は上部消化管のスクリーニング(振り分け)として大切な検査であり、利点もありますが、がんが疑われる病変を確定診断することはできませんし、胃がんや食道がんの早期発見にはあまり有効ではありません。なので、会社の集団検診などでバリウム検査を受けて異常を指摘されなかったからといって安心せずに、定期的に胃カメラ検査を受けられることをおすすめします。
また、胃がんリスクを判定する検診としてABC検診がありますが、これはヘリコバクター・ピロリ抗体価検査でピロリ菌の感染の有無を確認したり、ペプシノゲン検査で胃粘膜の萎縮の度合いを確認したりすることで胃がんリスクを評価する検査であって、胃がんそのものを発見するための検査ではありません。
現在、胃がんの早期発見のために推奨されている検査方法は、胃カメラ検査とバリウム検査だけです。また当院としましても、消化器内視鏡専門医が内視鏡検査で実際に目で見て、診断することが何よりも大切であると考えております。